本ブログ
『へヴン』
ヘヴン
発売元: 講談社
価格: ¥ 1,470
著者:川上未映子

「僕とコジマの友情は永遠に続くはずだった。もし彼らが僕たちを放っておいてくれたなら―」驚愕と衝撃、圧倒的感動。涙がとめどなく流れる―。善悪の根源を問う、著者初の長篇小説。


うーむ。帯負けというか。驚愕と衝撃?期待しすぎたのかも。

いじめられっ子の二人がひっそりと手紙のやりとりをして、そして二人で逢うようになる。夏休みの二人だけの秘密の遠出、二人だけの会話、空気。悲しくて切ない二人の友情。はじめから中盤まではとてもおもしろかった。止まらなかった。

だがしかし・・・終盤がちょっと失速してしまったような・・・。特に読後感が良くない。何も決着が着いてないじゃん!とか思ってしまいました。
コジマどうなっちゃったの?って思っちゃ駄目ですか?

小さなエピソード、登場人物たちの台詞、会話、それぞれ良かったし、すごく好きなシーンもたくさんあったんだけど、だからこそもっと読みたかった。ちょっと物足りなかったかな。
ちょっと期待しすぎてしまったかも・・・。驚愕と衝撃、とか言うからさー。帯負けですね。あ、でもその帯で読みたいと思って買っちゃったから、結果、帯勝ちなのかな・・・負けたのは私。

Posted by ユメコ
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『斜陽・パンドラの匣』
著者:太宰治

『パンドラの匣』の映画の予告を見て、サナトリウムな雰囲気の内容と、作家の川上未映子さんが出演するということで、ちょっと読みたくなりました。この表紙の色合いがどうしても気に入らなかったんだけど『パンドラの匣』を他の出版社の文庫で見つけられなかったので買いました。この表紙の色がどうしても気持ち悪い。歯ぐきと歯、みたい。うげ。

『パンドラの匣』は全編が主人公の手紙なので読みにくい。全編手紙なことに意味はあるのだけど。視点が一人だと、ついついどこかにトリックがあるんじゃないか・・・とか思って読んでしまう。

でも、同じ手紙でも『斜陽』の弟の手紙は何度読んでも泣いてしまう。『斜陽』はやっぱりすごくいい。太宰治の中で(といってもそこまで読んでないけど)私は『斜陽』が一番好きです。ものすごく晩年の太宰っぽく、私小説っぽいですが、それでもとても良いです。駄目な男の純粋さを書かせたら、本当に素晴らしいね。まぁ純粋ってことで誤魔化されて、周りの人間はいい迷惑だけど。不良は優しさ、とかね。『ヴィヨンの妻』の映画も松たか子好きだから見たいけど、浅野に本気で腹が立ちそうなので行かない。というか、原作の『ヴィヨンの妻』ってあんな映画予告みたいなステキなお話でしたかね。予告が一番おもしろい気がします。あの予告の音楽がとても好き。

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『コンセント』
コンセント (幻冬舎文庫)
発売元: 幻冬舎
価格: ¥ 630
著者:田口ランディ

変死した兄の死んだ理由を、妹のユキが知ろうとする小説の序盤は、ミステリー小説のようにおもしろくてどんどん読める。ユキが「自分は変わっているのかもしれない」と悩む姿には共感できるし、葬儀屋、消臭屋の人間の死にまつわる仕事をしている人たちのエピソードもとてもおもしろかった。

でも話が進むにつれ、次第にユキに死んだはずの兄の姿が見えたり、カウンセラーがでてきてシャーマン女がでてきて精神科医がでてきて終いには沖縄のユタまででてきて…???

初めの兄の死や葬儀屋のくだりが現実的だったので、ストーリーの方向性にちょっと驚いてしまいました。

それでも、主人公が現実と非現実、正常と異常を行ったり来たりしている感じが物語の良い雰囲気を作っているし、私も、異常者と正常者の境界なんて曖昧なものだよな〜なんて思ってたのに、最後まで読んだら、主人公は完璧に異常者じゃないですか…となってしまった。

しかも作者がユキを肯定してるのか否定してるのかがわからない。私にはもう「この女は悩み考え抜いてとうとう狂ってしまったんだよ!」という話に見えちゃうんだけど、多分全然そんな簡単な話じゃないんですよね。話が精神世界のことになりすぎて、私には読み解けないよー(;_;)。おもしろかったのは確かなんだけど。

ぐいぐい世界に入り込んでしまえるんだけど、終盤近くでサササーと冷めてしまう所がありました。あ、ユキは異常なんだ、とふと気が付くと言うか。

これは三部作全部読まなくちゃ駄目なのかな。って駄目って藤本由香里さんの解説に書いてました。解説を読むと、読む人はみんなほぼ同じ疑問を抱くんだなとわかりました。私はまだ解決できてないけど…。

でも好きなフレーズやおもしろいなって思う小さな話も結構あった。
シャーマン女が「主婦の仕事、家事って辛いけど、文化人類学的に見ると修行行為なの。あの修行を通して、魂を慈しむ心を得て、そして老人を看取る役目を担うようになるわけ」と言うのを読んで、すぐにかなり放置していた山のような食器の洗い片付けを終わらせられたのでした。

修行じゃ〜、とね。
単純^^。
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『花を運ぶ妹』
花を運ぶ妹 (文春文庫)
発売元: 文藝春秋
著者:池澤夏樹


誰にも兄を殺させはしない! 傑作長篇小説
一瞬の生と無限の美との間で麻薬の罠に転落し、投獄された画家・哲郎。兄を救うためカヲルはバリ島へ飛ぶが。毎日出版文化賞受賞

実は私は恥ずかしながら海外旅行に行ったことがないです。こういう本を読むと、海外は怖い、けどやっぱり海外に出なくちゃと思います。
Posted by ユメコ
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『きつねのはなし』 文庫版
きつねのはなし (新潮文庫)
発売元: 新潮社
価格: ¥ 500
著者:森見登美彦

文庫版が出ていたのでアップ。

モリミーファンとしては邪道かもしれないけど、この『きつねのはなし』に収録されている「果実の中の龍」が実は森見さんの作品の中で一番好きだし、この作品を読んでモリミーファンになりました。『乙女〜』も『太陽〜』も好きだけど、それらを経てこの「果実の〜」を読んで、こんなステキな話を書くんだ・・・と感動したのを覚えてます。『きつねのはなし』の本の中に、あたかも不思議な話の一つだと言わんばかりに収録されているのもすばらしい。

天狗に狸に赤玉ポートワインに偽電気ブランも好きけど、またこんなせつない恋愛小説を書いてほしいです。モリミーは「楽しい」を書くのも上手だけど、それ以上に「せつない」を書くのがすごく上手いと思うんですが・・・。また書かないかなぁ〜。

てか『宵山万華鏡』も買わなくちゃね。




Posted by ユメコ
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thema:小説 - genre:小説・文学


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