愛がなんだ (角川文庫)
発売元: 角川書店
価格: ¥ 500
著者:角田光代

直木賞作家が描く、<全力疾走>片思い小説!
OLのテルコはマモちゃんにベタ惚れだ。彼から電話があれば仕事中に長電話、デートとなれば即退社。全てがマモちゃん最優先で会社もクビ寸前。だが彼はテルコに恋していないのだ。その思いは更にエスカレートし…。 (アマゾンより引用)

バカ女テルコの一人語り独白体の小説なので、
「ストーカー1歩手前、勘違い女の思考回路ってこういう風になってるんだなぁ」
としみじみ思ってしまった。小説なのに。でもそれくらいリアリティと説得力がある。
そこはやっぱり角田光代さんの力量、筆力によるもの。さすが。

はじめは「バカー!!テルコー!!目を覚ませー!!」
なんて、テルコをまるで自分の友達の一人のように客観的に見ていたけど、読んでいくうちに徐々にテルコの中に自分と同じ部分が見えてきて、しまにはテルコの純粋さ、マモちゃんへのまっすぐな愛にウルウルきてしまった。私もバカ女の一人なのかも・・・。

「ごめーん!!今財布わすれて!!次なんかおごるから!!」
抜けぬけと言い放つマモちゃんに、「こういう奴いる!!この最低男!!」とーヒートアップ。

 顔が好みだの性格がやさしいだの何かに秀でているだの、もしくはもっとかんたんに気が合うでもいい、プラスの部分を好ましいと思いだれかを好きになったのならば、嫌いになるのなんかかんたんだ。プラスがひとつでもマイナスに転じればいいのだから。
 そうじゃなく、マイナスであることそのものを、かっこよくないことを、自分勝手で子どもじみていて、かっこよくありたいと切望しそのようにふるまって、神経こまやかなふりをして、でも鈍感で無神経さ丸出しである、そういう全部を好きだと思ってしまったら、嫌いになるということなんて、たぶん永遠にない。


なんだかすごく共感できた一節。

友達が角田光代さんのファンだってことが判明して、電話で話しこんでしまいました。「このページのこの部分が!!」なんて言いあって、実は私は単行本で、彼女は文庫で、話が噛み合えてなかったっていうオチ 笑。「マモちゃんって、なんでマモちゃんって名前にしたんだろう。もう彼はマモちゃんって名前でしかありえない!!」と彼女は角田さんのネーミングセンスを絶賛していました。確かに、この彼はマモちゃんって名前でしかありえない。

★★★★
テーマ:小説 - ジャンル:小説・文学


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