発売元: 草思社
価格: ¥ 1,470
著者:保坂和志
前回の日記で、「この本がどう良かったのかわからない!」
と言ったけど、その疑問をわかりやすく説いてくれた本がこちらです。
そしてこの本にこの今のタイミングで出会ったということが素晴らしいね。
タイトルからして、ハウツー本に見えるかもしれないけれど、全く違います。
まぁある意味ハウツー本なんだけど、もっとなんていうか小説とはなんぞや的な感じ。というか、エピソードの一つ一つが楽しく、1冊の読み物としてもとても面白かった。
小学校4年の社会科の授業で先生が「昔というのはいつでしょう」という問題をだし、みんなが10年前、100年前、50年前、と書いてある中で、Mさんだけが「お母さんのお母さんのお母さんが生まれる前」という答えを書いて、教室全体は大爆笑で、先生もその子をバカにしていたけど、そのMさんの答えだけが「小説が生まれる瞬間」だった。
という出だしのエピソードからなんだかもう引き込まれてしまいました。
「結局、この小説で何がいいたかったの」と聞く人がいるけれど、1行や2行で言い表せないから長い長い小説を書くわけであって、1行目から最後の行までの全部がこの小説の言いたいことである。
「なんだか全くわからない」現代彫刻館に行って、なんだかよくわからなかったけれど、大袈裟に言ったら帰り道の世界の見方は変わっていた・・・
という部分がありました。『千年の祈り』を読んで、「なんだか全くわからなかったけど良かった」というのは、それがちゃんとした私なりの感想なんだなと感じました。映画を見た人に、「どこが良かったの?」「結局これは何が言いたいの?」とつい聞いてしまいがちになるけど、そんなこと言われたって一言じゃ言い表せないってことです。
そしてその一言で言い表せないほど良い映画や小説に出会えたってことが幸せだよね。
まぁでもその言葉では言い表せないことを言い表さなきゃ小説ができないけど。
ほかにも色々小説を書くための話があるんだけど、それは小説を書くためというだけじゃなく、小説を読むためとしてもすごく役に立つなと思いました。
この本を読んで実は一番感じたことは、保坂さんがきっとすごくおもしろい人だということ。
小説に人物の心理描写として猫を登場させるな!もし小説が映画化とかして本物の猫を使うことになったら、猫がかわいそーじゃないか!
だって。なんかおもしろい人なんだなと。
ちょっと、保坂さんの本を読んでいこうかなと思います。