2009.
10.
01
22:33:00
変死した兄の死んだ理由を、妹のユキが知ろうとする小説の序盤は、ミステリー小説のようにおもしろくてどんどん読める。ユキが「自分は変わっているのかもしれない」と悩む姿には共感できるし、葬儀屋、消臭屋の人間の死にまつわる仕事をしている人たちのエピソードもとてもおもしろかった。
でも話が進むにつれ、次第にユキに死んだはずの兄の姿が見えたり、カウンセラーがでてきてシャーマン女がでてきて精神科医がでてきて終いには沖縄のユタまででてきて…???
初めの兄の死や葬儀屋のくだりが現実的だったので、ストーリーの方向性にちょっと驚いてしまいました。
それでも、主人公が現実と非現実、正常と異常を行ったり来たりしている感じが物語の良い雰囲気を作っているし、私も、異常者と正常者の境界なんて曖昧なものだよな〜なんて思ってたのに、最後まで読んだら、主人公は完璧に異常者じゃないですか…となってしまった。
しかも作者がユキを肯定してるのか否定してるのかがわからない。私にはもう「この女は悩み考え抜いてとうとう狂ってしまったんだよ!」という話に見えちゃうんだけど、多分全然そんな簡単な話じゃないんですよね。話が精神世界のことになりすぎて、私には読み解けないよー(;_;)。おもしろかったのは確かなんだけど。
ぐいぐい世界に入り込んでしまえるんだけど、終盤近くでサササーと冷めてしまう所がありました。あ、ユキは異常なんだ、とふと気が付くと言うか。
これは三部作全部読まなくちゃ駄目なのかな。って駄目って藤本由香里さんの解説に書いてました。解説を読むと、読む人はみんなほぼ同じ疑問を抱くんだなとわかりました。私はまだ解決できてないけど…。
でも好きなフレーズやおもしろいなって思う小さな話も結構あった。
シャーマン女が「主婦の仕事、家事って辛いけど、文化人類学的に見ると修行行為なの。あの修行を通して、魂を慈しむ心を得て、そして老人を看取る役目を担うようになるわけ」と言うのを読んで、すぐにかなり放置していた山のような食器の洗い片付けを終わらせられたのでした。
修行じゃ〜、とね。
単純^^。


